3月の陽気

不気味なほどの陽気。1.5か月先取りした感じだ。北陸で普段の今頃だったら2~3mの積雪が普通の場所で、なんと1cmだそうである。

さて、雪にかかわる季語を歳時記で見ると非常に数多くある。それだけ日本人は古来雪に親しんできた証拠である。その中には、雪国と無縁な私には余り馴染みのない語がいくつかある。

例えば、「雪間=ゆきま」、「雪間草=ゆきまぐさ」

春、降り積もった雪が溶けだし、ところどころにできるを雪の隙間を雪間という。なんとも繊細な感覚ではないか。そこに芽吹く草を雪間草という。だから、これは早春の季語。

しかし、今年の雪国では異常事態ですでに雪間感覚ではないかと危惧している。山の雪がないと雪解け水がないから春以降は深刻な水不足に悩まされるのではないだろうかと。

・山肌に早や雪間草不吉なり RECOCA

雪解=ゆきげ、雪解け

雪解風、雪解水、雪解川=ゆきげがわ

次に雪解けの季語。これも早春の季語である。根雪が溶けて消え始めることをいう。ただし温暖な地方のすぐ解ける雪は「雪解」とはよばない。

・雪解川この国の如勢もなし RECOCA

この句はちょっと説明を要する。本来雪解けの水の流入した川は水量が増えて流れの勢いが増す。歳時記の例句もほとんどがそうである。しかし今年は雪が少ないから水の勢いがない、というような意味である。

RECOCAのオカリナでちょっと前に改定曲としてアップした曲で、「オカリナのための花のエチュード」というのがある。原作の説明では雪が解けて花が芽吹いた時の喜びとあったように思うが、雪間に花が見えた喜びと解すると余計情感が増すのでもう一度再掲する。       

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