ジュリアの通信

前にここで紹介した本「もう一度会えたら」は物質界における一人の霊媒が複数の他界した人間すなわち霊とランダムに通信する例であるが、両者ともに固定した一人という場合もある。これを霊界通信という。さらに霊界通信において、霊が①生前無名の一般人の場合、②生前の有名人の場合、③イエスキリスト級の高級霊の場合、に分類できると思う。③の場合は特に訓示の意味で「~の霊訓」と呼ぶ。それぞれの代表例を順番に紹介する。今回は①について。

①における出色の代表例は「ジュリアの通信」である。ウイリアム・ステッド著 でくのぼう出版1993年第1刷発行。なぜ出色かというと、通信受信者兼著者が英国の新聞主筆というしっかりした人物、それに相手のジュリアの身元証明がしっかりしていて、通信が本人に間違いないことが確認されているからである。

日本語への訳者によるこの本の前書きを引用して内容紹介に代える。

訳者前書き

「ジュリアの通信とは1891年に亡くなったジュリアという女性から送られてきた霊界通信です。こんな古い通信を何故紹介するかというと、心霊研究の中で指折りの有名な通信なのです。何といっても本物という信憑性が非常に高いのです。なぜかというと①通信を受信した人物ウイリアム・ステッドという人が大変立派で英国マスコミ界第一級の人物、新聞の主筆を務めた人であること、②この通信の送信者ジュリアが確かに本人に間違いないという証拠があるということです。この身元証明の存否が本物とインチキ通信を見分ける一つのカギになります。(証拠について詳述されているが長くなるので省略)なお、ステッド氏は1912年タイタニック号で遭難死しています。この時同氏は救命ボートに進んで他の人を乗せ、自分は従容として沈んでいったといわれています。そして、自らも死後すぐにスコット女史という霊媒を通じて霊界通信を送っています。これはステッドの通信という名で、日本でも心霊研究の草分け浅野和三郎氏によって翻訳されています。

この通信はジュリアが死ぬところから始まります。死とはいったい何であるのか。死の関門をくぐったジュリア本人の口からお聞きください。また、人は死んでどうなるのか、どこへ行くのか、どんなものを見たりどんな人に会ったり、どんなことを考えるのか。もし、死後の生命があるとしたとき、人は現在どういう生き方をすればいいのか、今一番大事なものは何か、一度死んでこの世を振り返るジュリア本人の感想をお聞きください。本書をお読みになれば、きっと自分も死んだらこういう道をたどるのかしらと思われるでしょう。本書はシャカとかキリストとかずば抜けた人からの通信ではなく、私たちと同じ一市民からのもの、しかも身元証明付きのものです。私たちもきっと死んだらジュリアのように生き生きと第二の生命を始めることになるのでしょう。訳者である私も皆様と一緒にそんな思いにかられながらこのジュリアの通信を綴ることにいたします。」

どんなことが書かれているか、ほんの一部のページを抜粋します。

f:id:recoca1940:20201123151716j:plain

f:id:recoca1940:20201123151742j:plain

f:id:recoca1940:20201123151821j:plain

f:id:recoca1940:20201123151847j:plain

f:id:recoca1940:20201123151912j:plain