救急車添乗記

お早うございます。

東京都も現在コロナ最盛期で病院にかかるのが難しい、と盛んに報道されています。ですから今絶対に急病にかかってはいけません。

といっても人生に起こることは制御できません。私たちも先週、危うく病院探しの立ち往生に遭遇しかけました。しかし幸運なことにそうはならず、神のご加護かスムースにたどり着きましたね。以下はその顛末記。

オカリナで遊んでいると夕方突然女房から電話。バス内で頭を打って救急車の中にいる!本人が電話出来るんだから大したことないだろうと、とりあえず現場へ徒歩10分到着してみると、乗客を降ろした空のバスと救急車それにパトカーに警官、救急隊員、それこそ全員集合のものものしい雰囲気だった。本人はというと、救急車の中でけろっとして座っている。後頭部にかなり大きめのたんこぶが出来て痛いらしい。バスに乗車、直後の発進でひっくり返ったとのこと。大体ひっくり返るのは乗客の責任だから、その辺に降ろしておいて後は救急車にまかせてバスの運転を継続しそうなものだが、最近のバスの対応は違うようだ。対応の濃淡はバス会社によっても違うのだろうが、今回の運転手は全てに非常に手際のよい処理だった。これは、(株)西武バスの対処方針に従ったものと見受けられる。さてここまでは順調だが、次の問題は救急車の行き先。救急車が来たはいいが病院が決まらず長時間立ち往生ってこともあると聞くからどうなるか危惧した。案の定東久留米とお隣清瀬はだめ。あの病院街自慢の清瀬がダメなら長期戦かなと覚悟したら、そのお隣の所沢中央病院がすぐに受け入れてくれることになってほっと一安心。病院まで救急車で20分。到着後間髪を入れず頭のCT画像撮影と医師の診断。何人もいる救急患者を実に手際よくさばいていく。感銘を受けたのは手際の良さだけではない。事務や看護師がとてもフレンドリーなこと。救急車という非常時のとき、緊張気味の患者にとってこれはとても大事なことだと思った。

CT画像の診断結果は頭蓋骨内部の異常なし。外に大きな血腫(つまりたんこぶ)だけ。ゆえに処置の必要なくすぐに解放された。ただし、後日後遺症が出ることがあるから要注意とくぎを刺される。特に今夜は就寝後2時間ごとに呼び掛けて意識があるか確認すること!しかしそんな面倒なことはやっておれないのであくる朝確認するにとどめた。

さて病院から帰宅後、所轄の田無警察と西武バス会社から容体安否聴取の電話を受けた。警察からは事故証明を発行したとの報告とバス車内のドライブレコーダー映像の説明を受けた。それによると、乗車直後、マスク操作で一瞬手を離したすきにバスが発進してひっくり返ったとのこと。ゆえに乗客側のフォールト(落ち度)はゼロではない。またバス側も発進する際のアナウンスが十分でなかったという落ち度がある。その旨会社には注意喚起したとのこと。ゆえに今後は両者の示談に任せ警察の介入はここまでという話だった。最近の警察はずいぶん親切だなと思ったが、その時は示談という意味が分からなかった。なぜなら百%乗客、つまりこちら側の落ち度だと思っていたからである。ところが直後にバス会社から電話があり安否確認後、今後は保険会社と話し合ってくださいと言われて意味が分かった。病院等の費用負担の割合を保険会社を通して談判するのである。

翌朝保険会社から電話。容態を色々聞かれ、異常なしだったことに安堵したなど四方山話的な会話に終始して一向に厳しい示談の気配がない。恐る恐る正してみると、このようなケースでは最初から会社側落ち度百%で対応するのが当該バス会社の方針なので、病院費用の清算やその他経費はすべて会社持ち(つまり保険会社もち)に決まっているとのことで拍子抜けした思いだった。なので、病院へ清算に出向く手間は省けたが、ついでに最近変貌著しい所沢駅を探訪しようという思惑も外れた。

参考のため頭を打撲した直後の注意点を記しておく。(所沢中央病院発行文書)