紙の両面を見よ

雑誌ハルメク最新号和田秀樹氏(精神医学・老年医学専門科)執筆の記事から。

コロナの対策の一番はこれまで自粛策といわれてきました。しかし、その効果は気を付けて多面的に見なくてはある面では毒になると先生は言う。つまり、感染症の専門家にとっては、みんなが家からでなくなれば感染が減るから、自粛策が一番です。しかし、老年医学の専門家から見れば、歩行困難やボケ症状の原因になるとも仰る。また、免疫学の専門家からみれば、不活発でストレスの多い自粛生活は免疫力を下げます。そこで次の指摘は非常に重要です。

「問題は、専門分化が進んだ日本の医学界では、他分野の専門家が言っていることに対しては意見を言わないという風潮があることです。」

確かにそうですね。政府の専門家分科会などの専門家といわれる人たち。自分の背負っている専門分野を賭けて議論しているのだろうか。厚労省の方針通り波風立たないようにしてるだけみたいな・・。中国がその悪しき典型ですが。

和田先生はコレステロールにも言及しています。

「循環器内科の先生はコレステロールを下げよと指導。一般的には心筋梗塞脳梗塞のリスクが減るからです。ところが、コレステロールは免疫細胞の材料となるため、コレステロールが減ると免疫機能が低下し、がんや感染症のリスクが増します。さらに性ホルモンの材料でもあるため、元気や意欲の低下をきたします。目の前の病気を治すことが専門医の仕事だからか、循環器内科の専門医がコレステロールを下げよと言ってる時、がんや精神科の専門医はそうすると別のリスクがあるとは言わないのです。」

だから、我々患者はどっちをとるか、素人の究極の選択で困るのです。心臓病かあるいはがんや感染症、どちらを取るか。

両方とも嫌な人に対する和田先生の処方箋。

・体全体を把握してケアする総合診療医に見てもらいましょう。

・歩く。陽の光を浴びて歩くとやる気や幸福感が高まります。

コレステロールだけでなく、血圧についても同じことが言えますね。140を超える血圧はとにかく薬で下げろとたいていの医者は言います。それで循環器系の病気は減るかもしれないが、一方で意欲の低下とか、脳への血流低下で認知症のリスクが高まるとかそういう配慮を考えて塩梅してくれる総合医の存在など絵に描いた餅のように思います。だから、これまた素人の二択になるのです。私は断然後者が嫌だから薬物による降圧には絶対に近寄りません。これもお日様の中をひたすら歩くことで高血圧が改善できれば万々歳だが・・。しかしそもそも、年齢+90の基準が高血圧症なのか。そして血圧140の基準はWHOの独断と偏見ではないのか。このWHOのいい加減さについては小生の独断と偏見でなく、専門家たる大先生の著書にちゃんと書いてあることです。両陣営の専門家が議論して最適解を決めてもらわないと世界の患者の不幸は拭えません。