弁証法:卑近な例

◎一昨日の朝日新聞コラム折々のことばに次のような記事があった。

憲法は国民が時の政府に向かって発する命令です」井上ひさし

このメッセージは非常に大事で、特に9条の改憲問題においてはよく考えなければならない。9条は戦争のための軍隊を持たないと規定している。井上ひさし氏の指摘の通り、この条文は国に対して軍隊を持つなとの命令である。日本国憲法の性質上そうなるのである。その結果、日本国は軍事的海外侵略ができないので日本国および国民は平和である。この意味で憲法の「軍隊を持たない」という宣言は正しい。(哲学的に言い換えれば、この命題は真である。)一方、軍隊を持たなければ海外から軍事的侵略を受けたとき国民の平和は維持できないから、平和維持のため軍隊を保持すべきである。この宣言も正しくて真である。つまり、軍隊を持つ、持たないの命題はそれぞれ矛盾するけれど両方とも真なのである。こういう矛盾に遭遇したときどう処理するか。その解決法がヘーゲルの提唱する弁証法である。ということを、NHK「100分で名著・精神現象学」で教わった。この本は哲学三大難書のひとつと言われ、我々が読んでも一文も理解できないがこういう番組で分かったような気にさせてくれる。そういう意味でNHKの存在意義はある。ちなみに弁証法とは「物事の対立矛盾を通して、その統一により一層高い境地に進むという考え方」である。すなわち、9条改憲問題は奥が深い弁証法的哲学問題なのである。

◎酷暑と農園

酷暑でコスモスの狂い咲き?

庭先の農園で何んとコスモスの花盛り

今朝の収穫:そら豆の豊作

◎電力料金値上げ。聞くふり増税内閣の本領発揮。こんな状態でも岸田内閣の支持率はじりじり回復している。その意味で諸物価高騰は国民の支持といえる。受け入れられないならあらゆる機会(選挙、支持表明)にその意志を表明することが重要。