人体の不思議:最先端研究から

NHKBs101、2023.9.24放映「人体(特別版)健康長寿挑戦」から抜粋

最先端の科学がたどり着いた人体の姿は体の中に広がる広大なネットワークの姿である。体中の臓器と臓器同志が脳を介することなく直接情報をやり取りしながら体をコントロールしている。情報を媒介するのは臓器の発する微細なメッセージ物質である。これをエクソソームという。そしてこのメッセージ物質エクソソームを利用することでがん、心臓病など諸々の病気の治療が劇的に変わろうとしている。

例えばがん

がん細胞は独自のエクソソームを発して増殖していることが明らかになった。その仕組みを逆手に取ってがん細胞を抑え込む新しい方法の研究が進んでいる。また、臓器がんの出すエクソソームを解明して増殖を抑え込む最適の治療薬の開発の研究も行われている。

心臓病

エクソソームを生かした治療によって今まで不可能と思われていた心臓筋肉の再生を実現しようとしている。これは革命的進歩と言える。

さて、いろんな部位の筋肉や骨もいろんな種類のメッセージ情報(エクソソーム)を出しており、その発生を活性化させることでいろんな病気の症状を改善させることが分かってきた。

筋肉や骨からのエクソソームを活性化させるには筋肉や骨に刺激を与えることである。そして、その最適な方法は運動である。

肺にがんのあるマウスで運動させたマウスと運動なしのマウスで肺がんの転移を比べると転移が1/3に抑制されることが分かった。

人間での効果についての研究が進行中である。どのがんのどのステージならどういう運動が効果があるかがやがて明らかになる。

研究から得られた結論は、運動はもはや病気の予防というだけでなく、治療の一環と言える。近い将来薬の処方箋と同じように運動の処方箋が出される時代になるであろう。

さらに母乳。母乳は有用なエクソソームの宝庫である。母乳のエクソソームによって子供の免疫力が活性化される。これは動物の乳、例えば牛乳も同様である。牛だけでなく人体にも効果があるというようなニュアンスだった。