地震のエネルギー尺度「マグニチュード」について

地震が最近頻繁に起こっていますが、それに関する述語で最も重要ななのはマグニチュード(M)と震度です。マグニチュード地震の持つエネルギー(つまり大きさ)を表し、震度は地表の揺れの大きさを表す尺度です。ですから両者は無関係です。つまり、大きなMの地震でも地下深くで起これば震度は小さく、その逆もありです。

さて、震度の具体的指標はべつにして、ここではマグニチュード(M)について述べます。なぜなら、Mの大小比較が非常に分かりにくいからです。

問題です。M5とM6の地震のエネルギーは如何ほど違うのでしょうか。1の差などゴミでほとんど同じだと思われるかもしれませんが、大間違いです。Mが1増えるとエネルギーつまり地震の規模は約32倍になります。では、M8はM6の何倍でしょうか。答えは32×32で約1,000倍です。(32倍の32倍だから)なぜこんなことになるかというと、Mは地震エネルギーを表す数字そのものではなくてその桁を表しているからです。Mの上下は桁の上下なのです。

例えば我々が普通使っている10進法で考えてみましょう。10進法では1桁の違いが10倍に相当しますね。仮にマグニチュードを10進法で定義したとします。すると、M5とM6の比較は?桁が1違うので差は10倍です。ではM5とM7の大きさの違いは?桁が2違うので実数の差は10×10=100です。

では実際のマグニチュードの場合は?数え方が32進法だと思えばいいのです。なぜそうなるかというと、もともとのマグニチュードの定義式がそうなっているからです。

では今回の令和能登地震マグニチュード7.6と阪神淡路大地震マグニチュード7.3は実際にどれほどの差があるのでしょうか。これがまたややこしいのです。普通に考えれば1違えば32違う、つまり32進法なんだから(7.6-7.3)×32≒10倍の差と思うでしょうが、違うのです。この場合一桁の中の数字の変化は、普通の10進法のように直線的ではないのです。なのでM7.6とM7.3の違いは10倍ではなく3倍くらいになります。これは、マグニチュードの定義式がそうなっているので致し方ありません。

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