酒は百薬の長ならず

私がアルコールがからっきし天敵の体質なのでやけくそでこういっているのではありません。雑誌プレジデント前月号の健康記事です。アルコール愛好者にはとてもショッキングなことが載っていましたので老婆心ながらお伝えします。

アルコール飲料に適量はない。一口でも飲めば毒水である。」

手元に雑誌が無いので内容は省きますが、結論は上記の通りです。ビール1杯ならいいとか酒1合なら薬用だとかは全て間違いです。これは大勢の飲酒試験の結果分かったこと。一滴でも飲むと無飲料者に比べて有意に寿命に差が出るのだそうです。

手元にある別の精神科医の書いた健康本を開いてみると、アルコールは心身の健康に極めて敏感に響くということが詳述されています。ですから著者の精神科クリニックを受診する患者さんへの問診には飲酒についても詳しい質問があるとのことです。例えばこんな感じ。この15問に1問でも引っかかると、アルコール乱用患者として対処されます。

①毎日飲んでるか②飲みだすと止まりませんか③日中から飲み始めるか④飲まないと眠れないか⑤夜中の迎え酒はあるか⑥飲んだことを覚えていないブラックアウトはあるか⑦飲まないとき手は震えないか⑧二日酔いで仕事休むことあるか⑨肝機能悪いと言われてないか⑩飲んでから喧嘩や大声発するか⑪飲んでから交通事故を起こしたことあるか⑫一人酒か⑬つまみなしの空酒か⑭他人から酒を控えたらと言われるか⑮自分でも酒はやめたほうがいいと思うか

引用

「厳しいと思うかもしれませんが、これを放置しておけば早晩チェックが3つ4つと増え、そして6個以上になれば立派なアル中です。人の脳がエタノールに耐えられる量は20gとされています。これを超過した分は脳と体精神を害する毒水として即作用するのです。」

因みにエタノール量は次の通りです。

ビール500ccで35g、焼酎1合45g、清酒1合22g、サワー系アルコール飲料は350ccの一缶で30g。

この毒水による精神疾患は次の四つ

・不眠

寝つきは良いかもしれませんが血中エタノール代謝された途端に目が覚めてそのあとは絶対に眠れない。夜中に迎え酒したくなる原因です。アルコール病棟の入院患者全員が睡眠薬常用。

・気分の上下

気分が一日の中でころころ変わる。家族が迷惑。

うつ病

自殺に直結

認知症

その他。妊婦の飲酒は胎児に奇形をもたらす。知的障碍児も。また飲酒は口腔、咽頭喉頭、食道、肝臓、大腸、膵臓、乳房のがん発生率を高める。・・・・

つまり、酒は百薬の長でなく万病の元なのです。少量の飲酒は健康増進に資するというのは、原発安全神話と同様神話に過ぎないのかもしれませんね。 米国の調査では、15歳から49歳のピンピンしている男性では死亡の12%が飲酒関連だそうです。この調査の結論は次のように結ばれています。「健康のためにはアルコールはゼロが良い。」

この本の結論⇒日本は諸外国に比べ大幅に酒害対策が遅れている。