続・スーパーのコメ不足

今回のスーパーマーケットでのコメ不足のおかげで主食であるコメの流通についていろいろ学ぶことができました。むしろ、主食に関する大事なことなのに、今まで知らなかったことの方が問題だったと思いました。

まず、一般消費者むけのスーパーマーケットには米がないのに、レストランでは普通にご飯が供給されている。これ不思議だと思いませんか。先月来米騒動を知った時からこのことをずっと疑問に思っていました。生成AIなどの助けを借りて色々調べてみると、両者の流通経路は全く異なっているんですね。スーパー向け(つまり一般消費者向け)はまず生産者から農協が全て買い上げて卸しに販売し、さらにそれが末端スーパーに販売される。その過程で中間業者を複雑に経由するのです。ですから、年の途中で需給に大きな変動があると即応できない事情があるのだそうです。今回の米騒動は案外この辺にも大きな理由がありそうです。

一方、レストランは農協を介しません。直接決まった卸し業者と長期の契約を結び安定的な需給を確保します。さらに、複数の卸業者を確保していて、ある程度の受給増減にも柔軟に対応できるのです。このことをかんがえると、スーパーだって複数の卸しから自由に購入するとか柔軟に対応すれば店頭のコメ不足は解消できると思うのですがどうなんでしょうね。また、農協や国は相当の備蓄米を確保してるので、不足すれば即出せばいいと思うのですが、流通経路の複雑性で店頭にすぐ来ないのだそうです。それと備蓄を出すとコメの値崩れが起きるということで、これを極端に嫌って余程のことがないと供出する気はないようです。しかし、店頭のコメ不足は逆に価格の高騰につながります。これは構わないのでしょうか。米生産者は保護、消費者は軽視の国の意識が透けて見えるようです。平等に扱ってもらいたいものです。

専門家の分析によれば2024年新米の流通はコメの先食いをしている状態だから、来年の夏には今年と同じ事が起こるだろうと予測しています。最近の消費者は賢いから、夏の不足を見越して春から買い溜めに勤しむことが予想されます。そうすると来年の店頭コメ不足はより深刻になり、最悪春ごろからコメ売り場を気にしなくてはならなくなるでしょう。国はそうした消費者心理を先読みして、6,7月ごろから備蓄米を供出すると宣言して買い溜め心理を冷やすべきです。何もしないで来年も同じことが起こるのでは、国もスーパーもいかに無能無策であるかを証明することになります。少なくとも今年のコメの生産高は今の所平年以上なので、打つ手は色々あるはずです。頑張ってください。