日本人の月に対する風流の感性は尋常な繊細さではないー歳時記を見ての感想です。
いわゆる「十五夜、中秋の名月」を頂点に前後月の満ち欠け、月の出の時刻の推移に対する月の感じ方を克明に区別していて、それらが季語になっている。いちおう歳時記にはそれぞれ説明があるが、的確に俳句に詠み分けるには素人には無理です。適当に、「秋の月」とか「名月」、「月冴える」など知ってる言葉を並べていたが、今回俳句のベテランにしっかり指摘されてしまった。
歳時記から。
月・・単に月といえば秋の月をさす。
盆の月・・旧暦7月15日(中秋の名月の1月前)の月
待つ宵(小望月)・・旧暦8月15日の一日前の宵名月を待ち焦がれる意。
名月・・中秋の名月(旧暦8月15日)
良夜・・名月の夜
無月・・名月を心待ちにしていたのに雲で見えない状態。
雨月・・雨で名月が見えない状態。雨音を聞きながら、心の中で名月のイメージを楽しむ趣。
十六夜(いざよい)・・名月の次の夜の月。いざよいとはためらうという意味で、名月よりも少し遅い時刻に昇のでこの呼び名がある。
立待月・・さらに1日遅い17日の月。月の出は十六夜より遅いが、それほどでもないので「立ったまま」待つことが出来る。
居待月・・18日の月。さらに出てくるのが遅いので座って待つことになる。
臥し待ち月・・19日の月。寝る時刻に出てくるから寝ながら月の出を待つ。
更待月・・夜更けに昇ってくる月
宵闇・・暗くなってから月が昇ってくるまでの闇
後の月(十三夜)・・名月の一ヵ月後の満月よりも少し欠けた月。秋が深まって少し寒い時期の欠けた月なので少し寂しさがある。
そこで小生の十三夜の句作ってみましたがどうでしょうか。
・天上の笛の空耳十三夜
・アニメ像よごれしままに十三夜
・人気なき浜の足跡十三夜