昨日の回答ですが、著者の回答に承服できない点があるので延期します。
かわりに「がとは」。
これは究極の似たもの単語であり、使い方を文法的にこじつけて人に説明するのがもっとも難しい事柄だと思います。以下はネットを検索して得た私見です。実は40年前日本語教師の通信教育を1年受講しました。その中にこの項目があり分かったつもりだったのですが、部分的な理解に過ぎないことが分かりました。それで今回ネットの記事を10本くらい検索しました。それで分かったことは①依然難しい②全ての状況に適用できる統一的説明が見当たらない。なので、昨日一日②を見つけるべく頭をひねったのですが混乱するだけで認知症がひどくなりそうなので一日考えてやめました。そういうことなので、ここでの説明は目をつむって像を撫でているような面がありますのでそのつもりで読んでください。
1.情報の新旧による使い分け。
これが最も分かりやすいかなと思います。新しい情報(初めて出て来たこと)⇒「が」、既知の情報⇒「は」をつかう。
例文「①昔々あるところにお爺さんとお婆さんがいました。②お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。」
①の、が⇒初めて出た新しい情報なので「が」、②の、は⇒ここでのお爺さん、お婆さんは①で出ている既知情報なので「は」。
2.述語が名詞句、形容詞句、動詞句である場合で使い分ける。それぞれの場合の主語述語は次のようになります。ちなみに名詞句とは述語が名詞、形容詞句とは述語が形容詞、動詞句とは述語が動詞の文章です。
名詞句:久留米さんは社長です。
形容詞句:久留米さんは美しいです。
動詞句:久留米さんが来ました。
一般に、名詞句、形容詞句の場合は「は」、動詞句の場合は「が」を使います。ところでこれを逆にしたらどうでしょうか。すると単なる叙述に、ある意味が付加されます。それは「排除」の意味。具体的にはこういうことです。
名詞句:久留米さんが社長です。
(他の人ではなく久留米さんが社長なのです。ほかの人は社長ではありませんの意。)
形容詞句:久留米さんがきれいです。(ほかの人ではなく久留米さんが~)
動詞句:久留米さんは来ました。(ほかの人でなく久留米さんが~)
このように他を排除する意味が付加されます。
3.「は」と「が」で、文章の強調する箇所が違うという考え方。
名詞句と形容詞句では、「は」の後ろの語が強調される。
動詞句では「が」のうしろの語が強調。
同様に、名詞句と形容詞句では、「が」の前が強調、
動詞句では「は」の前の語が強調される
という考え方です。この考え方で2.を説明することもできます。
自己紹介の例文
①私はKです。
②趣味はオカリナです。
③私は東久留米に住んでいます。
④私には姉がいます。
⑤姉は名古屋に住んでいます。
・・・・・・
①名詞句であるし、自己紹介なので他人を排除しては僭越なので「は」
②名詞句なので「は」。「が」とすると自分の趣味自体を強調してちょっと見栄坊的。
③私については既知情報になっているので「は」
④姉という新規情報なので「が」
⑤姉は既知情報になったので「は」
以上ですが、厄介なのは「は」についてです。実は「は」の受けるのは主語とは限らないというのが混乱の元なのです。(たいして「が」の受けるのは必ず主語です。)
・像は鼻が長い。
・Aはオカリナが上手い。
・私はウナギだ。
以上の3例文で「は」の受けているのは主語ではありません。ではなにか。この「は」は、「~についていえば」、英語の as forに相当する意味になるのです。
私はウナギだ、これ分かりますか。大勢いてメニュの選択を聞かれた時の答えです。(私についていえば)メニュの選択はウナギです、という意味。私がウナギだ、というと主語述語の関係になるので聞いた人はきょとんとするでしょう。