特攻隊のTV放映の8月

◎8月といえばTVは戦争回顧録が盛んです。一昨日NHKスペシャルある特攻隊班の出撃前一か月を追う番組を見ました。特攻に赴く隊員は志願兵というのは建前だけで、すべて命令です。任命に対して拒否可能という選択も与えられていますが完全な建て前、そのあとは著しい不名誉が待ち構えている。命じられたその晩の夕食は誰も箸を取れなかったという打ちひしがれた心情は察するに余りあります。それはそうでしょう、この班の人員のほとんどが将来の民間航空パイロットの卵で年齢20代の将来の具体的希望を持った若者たちですから。それが、突然来月死んでくれと言われたら、俺たちをなんだと思ってるんだと頭に来るでしょう。しかし、その怒りや悲哀を一寸たりとも表に出せない。

軍人は自分の死の危険を顧みず国を守る義務があります。しかし、同時に国は兵站を確保して最大限兵士の安全を守る義務があります。太平洋戦争時の日本軍大本営にはその思想が1mmもなかったようにみえます。戦争末期の南方への兵站を無視した無謀な兵力注入でどれだけの一般兵士が犠牲になったか。大本営にとって兵士は物と同じ消耗品。銃後の親兄弟の幸福を考えれば自分の死は無駄ではないといい聞かせて戦場に赴いたのが手記からうかがえます。

さて、ここまでは定番の、視聴者を泣かせる番組進行です。一緒にTVの前にいた女房は、可哀そうで見ていられないといって時々目を背けていましたが、天邪鬼のRECOCAは別の視点への言及を期待して冷徹な目で見ていました。それは、特攻なる作戦を立案遂行した大本営への視点です。終戦大本営幹部は特攻作戦をどう総括したのか、RECOCAの関心はこの一点です。番組では終盤わずか1分ほど、元大本営で特攻作戦中枢にいたある中佐の発言が録音テープに残っていました。それは予想通り特攻作戦を自賛評価するものでした。曰く「特攻作戦は通常の作戦よりはるかに効率の良いものだったと評価している。つまり、ぼろ機材の使用という超安価な経費で敵艦駆逐という戦果を挙げることができた。」そこには、兵士の命の尊厳というものをみじんも慮っている風には見えません。TVはいい加減お涙頂戴的番組を卒業して、大本営の戦前戦後の手記を集めてかれらはどういう思いで兵士を特攻自殺作戦に組み込んだのか、そして戦後自らの不明を少しは反省したのかという視点の厳しい番組を作るべき時だと思います。

コロナ禍の現在、何も知らされていない人たちは、いろんな危険に駆り立てられているような気がする。あたかも特攻的犠牲精神の発揮を期待されているかのように。全世界には人間が78億人もいる。世界の指導層には有象無象の消耗品としか映っていないのかもしれません。この人たちをワクチンの実験台に駆り立てる。現代の巧妙な特攻、アルカイダの自爆と重なって映ります。

◎26日今朝の朝日新聞記事。

大体において国は死亡者が出ると対処する。道路交通のように。コロナの妊婦さん、病院がなくて新生児が死亡した事件。泡を食った国は産科病院へ強いメッセージを出した。病院がどのくらい国の言うことを聞くか分からないが。

うっかり高熱を出したり、意識不明にもなれない日本になった。「搬送拒否30病院、死亡、千葉、高熱で意識不明の男性(62)」熱の原因は不明。病院側はコロナであったら困る いやだの一点張り。もはや日本にまともな医者(昔のように医は仁術と心得、困っている庶民の味方の医者)はいないと思ったほうが良い。これを受けて千葉県は強い措置がとれるのか。医者は特権階級である。特権階級は授与されている特権ゆえに、災害においては危険を顧みずに庶民に奉仕する騎士道的な義務がある。軍人や消防士が戦場や火事が怖いといっていて商売が成り立つか考えてみたらいい。コロナ恐いといっていて医者が務まるのか。ただもっと金をよこせといっているのかもしれない。医は算術。国民が困っていようと我関せず。

◎こんな体たらくでも自民党は二階、菅が手を握って再選にうごめいている。尤も他の候補者はもっと怪しいが。これしか玉はないのか情けない。総選挙前の総裁選で二階、菅二人三脚再選なら自民も日本も終わり。その後の総選挙では自民大敗、立憲勝利。そして計り知れない大混乱の到来。中国はそのすきを必ずついてくる。ここにきて国民は完全に打ち捨てられる。恰もかつての特攻兵士のように。

◎最後に口直し。

近所の広場前に咲く立派な百日紅さるすべり)の花。桜のようだ。

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