人間はなぜ戦争に狂奔するのか

6月は不肖RECOCAの誕生月。今年は記念すべき誕生日に・なりました。なぜかというと、生まれてから今日まで何十年間なぜだろうとずっと疑問に思っていたことが氷解したからです。その疑問とは、「人間はなぜ戦争を繰り返すのか。」です。

人は本来他人のことを思いやることができる優しい哺乳類ですし、学問、芸術にも秀でている。それがなぜ目の色を変えて戦争に狂奔するのか。不思議に思いませんか。

例えばロシアなど世界有数の芸術、音楽の国です。それが気が狂ったように他国に侵攻、市民の虐殺をなんの躊躇いもなく実行する。下図は過去3500年間に起こった戦争の場所を点描した図です。なんとそれは1万回。ですから点が重なって真っ赤になっています。

実は人間の戦争好きはもはや本能なのです。なぜならその大本は大脳の分泌する、我々の大好きなあるホルモンのせいであることが最新研究で明らかになったからです。拙記事のネタは下記NHKTV番組です。これは近年NHK有数の好番組だと思います。

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NHKスペシャルヒューマンエイジ人間の時代「なぜ戦争を繰り返すのか・人間の本性の謎」

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さて、そのホルモンとは、なんとなんと「オキシトシン」です。

オキシトシンについては拙ブログ数回前の記事で話題にしていますのでご覧ください。このホルモンは別名愛情ホルモン、幸せホルモンともいい、大切な人との絆を深める時、特に育児、授乳の際特に多く分泌されます。人に親切にする、無償のボランティアに従事するときにも出るとされています。人類はこの400万年の進化の過程でオキシトシンを分泌するように大脳を進化させてきました。地上哺乳類のトップに君臨するホモサピエンスとなれたのはオキシトシンのおかげなのです。このことについては次回に回します。

ところで、この結構なオキシトシンホルモンがなぜ戦争に狂奔させるような悪さをさせるのでしょうか。それは、オキシトシンには恐るべき負の側面があるからです。これが最新研究で分かったことです。

負の側面とは、「愛情によって守るべき対象とそうでない相手を厳しく線引きして相手に攻撃を促す作用のあることです。」これは心理学の実験によって明らかになりました。自己の集団への愛とかアイデンティティーが強まると、外の集団を敵視すればするほど自己の集団の仲間同士の結束が強まるという仕掛けです。オキシトシンの働きで本能的に仲間を守るため、線引きした外の敵を自己犠牲をいとわず攻撃に奔走するのです。これをつまり戦争と呼びます。ですから、戦争を起こさぬためには敵味方の線引きを国単位でなく、できるだけ大きくとることです。オキシトシンの負の作用の知識があればそれは少しづつでも可能になっていくのではないかと思います。それによって、たとえダメもとであったとしても、わずかながら未来の平和な地球を夢見ることができる。これをRECOCA83歳の誕生日へのこの上ない贈り物として有難く頂戴しておきます。