この夏海外旅行は危険

盗難、ギャングの危険じゃなくて、自然災害の危険です。それは酷暑と深刻な大気汚染です。

大気汚染というと、中国やインドのはないかと思うかもしれませんが違います。北米大陸やヨーロッパ、取り分け北米大陸ですね。

まず異常高温。日本もすごいですが世界の観光地でも半端な状況ではないようです。正に命に係わる暑さで、帽子やペットボトルで凌げるレベルを超えている。

例えば観光のメッカイタリア。連日最高気温が40度を超えています。ローマでも43度。保健相は警報で午前11時から午後6時まで直射日光を避けるよう警告しているそうです。これはエルニーニョ北アフリカで発生した熱波の影響。数日中にイタリアで48度に達する予報が出ています。世界から夏の観光に数百万人が訪れるギリシャでも連日40度超え。中国のウイグル自治区トルファンでは52度。米国でも西海岸から東海岸まで広範囲に熱波が襲うと予報されています。アリゾナ州では18日連続で43度を記録しています。WMO事務局長は欧州を度々襲う熱波について、これは新しい「常態」だと述べました。酷暑はもはや異常ではなく普通のことになるということ。恐ろしいことに日本にも当てはまるのかもかもしれません。

大気汚染

実はこれも相当に深刻です。原因ははっきりしています。山火事。それも場所もはっきりしている。カナダ。その3分の1は東部ケベック州の山火事です。カナダでは例年5~10月にかけて山火事が頻発します。それが今年は特にひどくこれまでの森林焼失面積740万ヘクタールで、これは例年の10倍になっています。その半数は6月8日時点で制御不能となっている。

その煙による大気汚染は甚大で広範囲に亘っています。ケベック州モントリオールでは6月25日PM2.5による汚染世界ワーストワンになりました。インド、ジャカルタに匹敵する数字だそうです。住民に対してマスク着用、屋外スポーツ、コンサートの禁止令が出ているとのこと。息がしにくく目が痛いレベルで、喘息患者は致命的だと思います。この状況はニューヨークでも。「コロナが去ってマスクはもういらないと思っていたが必需品になった。一時期ニューヨークは息をするのが地球上で最も危険な場所になった。」NASAの衛星画像で見ると山火事の煙はスペインにも達していました。

昨夜女房がカナダカルガリーの友人(ドイツ出身カナダ人)と電話ではなしたところによると、異常高温はドイツでもひどいらしいです。それにあの夏の快適さでは世界有数のカルガリーにも気温の異常は来ているとのこと。それに大気汚染も。空はどんよりして息苦しい。

米国では最近自然災害があまりにも多発するので、大手保険会社が住宅向け損害保険の引き受けから相次ぎ撤退する動きが出ています。山火事の規模が拡大する西部カリフォルニア州では大手2社が火災保険の引き受けを停止しました。水害多発の日本で同様の動きが出るか注目。停止まではいかないでしょうけどね。

山火事による森林焼失面積は甚大で、これは温室効果ガスの蓄積に直につながるので非常に問題です。地球温暖化⇒山火事頻発(温室効果ガス排出)⇒温暖化加速、という負のスパイラルに陥っています。山火事を防ぐとか消火技術の開発とかをもっと加速できないものかと思います。