来た!

8日宮崎県で震度6弱マグニチュード7.1の大地震が発生した。この地震は単なる独立した平凡な地震とは異なる。問題はその震源である。近く襲来が恐れられている南海トラフ超巨大地震(M8~9)の予想震源の西端に位置するのである。解析された地震カニズムはプレート境界の逆断層型だったから、まさにミニ南海トラフ地震である。能登地震や東日本大地震のように元震源から断層が長く伸びれば伸びるほど地震の規模は大きくなる。今回は何かの都合でというか好都合なことに断層の伸びがなかった。だから局所の地震にとどまったのである。この局所の断層が大規模断層の引き金になって近い将来超巨大地震が起こる恐れは十分考えられる。気象庁の臨時情報「南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっている」の意味はそういうことなのである。近い将来、とは気象庁の見解は1週間としている。しかしこれは人間の注意集中の限界を考慮した数字であって、実際は(地震学的には)もっと長期であっても決しておかしくない。むしろそれが自然だ。いずれにしろ宮崎地震によって本格的南海トラフ地震発生のスイッチが入ったと解釈すべきである。

一般に大地震は何の前触れ、つまり前震もなく生起するが、のちにこれが前震であったかもと解釈される地震が見つかることがある。例えば、東日本大地震の場合、本震の2日前にM7の地震が起こっている。そういう意味でも今回の宮崎地震は要警戒なのである。といって1週間交通機関をストップして大津波予想地域の全住民を強制避難させておくなどの強硬手段はとれない。地震発生の日時と場所の精度の不確実性があまりに大きく、空振り時の経済損失に見合わないからである。だからせいぜい個人のできることをちゃんと励んでおけ程度の曖昧な警告でお茶を濁すしかないのである。本当は運転中の原発をこれを機会に休止にしてほしい。こっちの方が国益にとって余程重大である。国民に対応を呼びかけるだけでなく、国は何をしたら国の消滅を未然に防げるのか真剣に考え行動に移してもらいたいと思う。