日本に火山がなぜたくさんあるのか(本日20日二本目の投稿)

日本は世界に関たる地震国です。それと同時に火山国であることに気が付いておられましたか。日本の環境ではこの二つは完全にリンクしています。火山があることは景観が楽しめ、大好きな温泉が楽しめるといういい点がありますね。日本にはなぜ火山が多いのでしょうか。それは先日来紹介している海洋プレートの沈み込み帯(日本海溝とか南海トラフ)が列島に沿って存在しているからなのです。そこで、沈み込み帯が火山を作り出す方法を次の図で説明します。

まず、海溝に向かって海底プレートが年間数センチの速度で進行します。それがやがて日本が乗っている大陸プレートにぶつかり、その下に沈み込みます。(沈み込んみ始めた場所が海溝になります。)海底プレートは沈むとき大量の海水を道ずれに沈んでいきます。一方、大陸側の地下には地熱で暖められた玄武岩が存在します。地下100kmくらいの温度圧力条件の環境に、引き込まれた海水が加わると玄武岩の融点(溶ける温度)が下がって大陸側の玄武岩が溶け始め、マグマが形成されるのです。このマグマがマグマだまりを作って活火山を形成します。ですから海溝軸に並列する日本列島を縦列する形で火山が延々と連なる特異な地形が出来上がるわけです。この火山の列を火山フロント(前線)と呼びます。以上の説明で火山フロントは海溝軸に平行して存在することが分かります。北から有珠山、富士山、桜島など有名無名の火山が火山フロントを形成しています。

赤線:海溝軸(トラフ)、青線:火山フロント

日本には東西二つの火山フロントが存在します。海溝軸と火山フロントはおよそ200キロくらい離れています。これは海底プレートが100km沈降するのに必要な水平距離ということになります。

さて海外にもこのような火山帯は存在するのでしょうか。もちろんそれぞれの海溝軸に並行する形で存在します。

たとえば

・米国西部火山フロント

 マウントセントへレンズ、マウントレーニア活火山

アンデス山脈火山フロント

 コトバクシ山、オホス・デル・サラート山

インドネシア火山フロント

 スンダ孤、クラカタウ、バリ島