NHKFMラジオ放送に「古楽の楽しみ」という番組がある。唯一の古楽専門番組で平日早朝6時の早起き番組ながら熱心な固定リスナーが多い。
途中、2度ほど打ち切りの危機を乗り越え、番組名も朝のバロック、バロックの森等と変えながら40年以上続いているから大したものだ。
ちなみに古楽とはバッハ、ヘンデル以前、つまり19世紀以前のバロック、ルネッサンス、中世の音楽のことである。
昔この番組の案内役のナレーターに日野直子さんというNHKのアナウンサーがおられた。この方は2000年春に放送を引退されたが、私はその全盛期の熱心なリスナーだった。
なぜかというと、この頃新潟単身赴任の時期だったからである。放送を毎朝MDに収録し、後に必要な曲を編集して現在でも収録時間320分のMDが30枚近く残っている。
新座の中央図書館で日野直子さんの書かれた本を偶然見つけた。この本には、当時の放送の裏話やリスナーとの交流など興味深い話題が豊富で、日野さんは単なる案内役以上の働きをされていたことが分かる。「朝のバロック時代」の親しみやすいテーマミュージック、バッハの狩のカンタータの中のアリア「羊は安らかに草を食み」が決まるいきさつなどは特に面白い。
本の名は「目覚めのバロック」。古楽放送のファン必見。今アマゾンなら300円以下で買える。新座図書館には今年中に返却するのでその後で。