コロナで「触れ合い」は

先日TVニュースで一瞬興味深い画面が流れた。フランスマクロン首相とドイツメルケル首相の面会場面。普通なら握手でスタートするのだが、今のご時世ソーシャルディスタンス2mでは手が届かない。それでどうされたかというと、互いに合掌して軽く頭を下げる東洋風のしぐさ。それがとても自然で一瞬のことだったので、画面を注視してないと気が付かなかっただろう。

政治家が握手を自粛することは大変なことらしい。これは日本の政界の格言として言われていることだが、「握手の数が票の数」。選挙の遊説の時やたら握手してまわるのはそういう意味で理にかなっていることなのだ。これは昨日の新聞で初めて知った。握手の出来ない選挙戦はどんな感じだろう。アイドルの握手会もダメと言われると、CDの売り上げに響くのではないだろうか。

握手の感触が投票やCD購入の意思決定を左右する、手の平の感覚の凄さを改めて思った。

さて、握手というのは代表的な触れ合いである。なぜ人は触れ合いたいのか。抱擁でもいい、触れ合ったときにオキシトシンという幸せホルモンが出て、ストレス緩和、安心感がもたらされるというのが理由らしい。ハイタッチで喜びを分かち合い、肩に手を置いて悲しみを癒すなどドラマではお馴染みだ。とにかく触れ合いは情動に大きな影響を及ぼす。医療にも効果があり、最近は病院でも取り入れられている。中でも感銘を受けたのは、あるTV番組で見た認知症介護現場への適用である。認知症が進んで喜怒哀楽がなくなり、更には介護を暴れていやがるなど手に負えなくなったときに、専門の施術師がやさしく触れていくとみるみる症状が改善していくのである。本当の理由は分からないが、幸せホルモン効果が絡んでいるに違いないと思う。コロナで触れる行為が禁止されると介護はやりにくいであろう。

であれば、人との触れ合いでなくてもペットでも同じ効果が期待できる。さらに面白いのは、今風にスマホのTV電話でお孫さんと会話することでも実際にオキシトシンが増加するという実験をTVでやっていた。帰省できなくてもSKYPEやZOOMで顔を見ながら会話するという手があるので積極的に活用したらよいと思う。

・陽炎や届かぬ距離の会釈して RECOCA

懐かしい曲、街の灯り。ビルの窓にちらつく灯り。何のメッセージだろうか。

RECOCAのオカリナで。

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