コロナ禍考in日本

・寒風や空気切り裂く消防車

・寒風に訓練の声消防士

さて、コロナですが、結局私が恐れているのはコロナの病気にかかることではなく、コロナで医者にかかれないことです。コロナに罹っても心置きなくスムースに医者にかかれるのなら何と心穏やかなことでしょう。

6日の朝日新聞患者を生きる欄にある読者の、医者による診療拒否の恐怖の経験とそれによる失職の怒りが投稿されていました。それによると、昨年の6月38度以上の発熱でコロナを疑い、母親と3日間さいたま市の保健所に電話し続けたが全く通ぜずじまい。市の医師会へ相談して受診した市内の病院では検査を断られ、掛かり付け医からは「発熱患者は診ない。」結局何の医者による診察機会もなく現在に至っているとのことです。熱は下がったが発熱から半年以上たつのに未だ後遺症めいた強いだるさ、呼吸困難などで近所のコンビニなどに行っても強烈なだるさに襲われてほとんど寝たきりで職場は解雇状態だそうです。決定的な治療法はないにしても、掛かり付け医の診療ないしは適宜の入院が実現していれば後遺症の発現状態も違っていたのではないかと想像されます。まことにお気の毒なケースでしたが、残念ながら同様の例は多いのではと思います。かつてのイタリアでも感染爆発で医療崩壊に陥りましたが、それは一時のことでした。それに比べて医療先進国と言われる日本はイタリアの数十分の一の負荷で上記のような医療崩壊状態を長期間引きずっています。あるコロナ患者を診ている病院医師は一年間ずっと災害対応している状態と話しているそうです。2月のいまでもコロナ感染が怖いとか、コロナを診ることで一般患者が減ることを恐れて診療しない開業医や病院は少なくないと報道されています。

致死率数%以上の感染症は最近10年周期くらいで流行しています。将来もっと強烈なのが来たら、日本の医者は全部が診療拒否で隠れてしまうのではないでしょうか。

近くの開業医の玄関にかかっているチラシを見て笑ってしまいました。「健診には健康なときを見計らってお越しください。」

医は仁術の赤ひげ医師の存在など今は昔の無いものねだりになりました。

緊急事態宣言の解除の一つのファクターとして病床使用率減少がありますが、当局が病床を増やす努力を怠っている以上、緊急事態の脱出は容易でないでしょう。政府、医療機関自ら首を絞めているようなものです。