「へそまがり」の効用

朝日新聞1月28日、ミニコラム「折々のことば」から

「へそまがりとは、世の側からみた「曲がり」であり、へそ曲がりの側から見れば世の側が曲がっている。」

これは、自称天邪鬼RECOCA(つまり小生)も同様な思いを魂の奥底に静かに秘めていて、心底同意できることである。まぁ、こう宣言すること自体、極め付きのへそ曲がり、つまり天邪鬼であるが。同時に同コラムではへそまがりの効能を述べている。

「彼らは、横一列のものの見方に同ぜずそれを脱却させる真っ当な「抑止力」であり、世間をうならせる「千両役者」にもなる。」

千両役者になるかならないかはどうでもよいが、抑止力の重要性、必要性についてはへそ曲がりでない素直な心の持ち主でもほとんど同意されるのではないだろうか。

抑止力とは何か。その事柄への反対表明によって実現を阻止することである。何に対する抑止か?例えば、国の命令的な政策、それに対するマスコミのよいしょ、社会・世間に形成された空気への同調圧力等である。日本にはもともとこの面が弱いが、特に新型コロナ以降は気になる。理由は国の静かなる強権圧力が突如強まったからである。余程心してへそを曲げないと、国・政府の一方的見方によって提示される諸政策に簡単に流されてしまうであろう。国というのは、一度ある方向に走り出すと慣性力が尋常でなく、これを止めて方向変換するのは容易でない。このことはこのコロナ3年間で身にしみて分かった。コロナに隠れて、増税、軍備増強などもソロっと表に出て来た。覆水盆に返らず、を肝に銘じて対処しないと大変なことになる。

 

話は飛ぶが、同じ新聞のむさしの版によれば、東京都における2023年度都税収入は過去最高の大幅の増額を計上したそうである。理由はコロナかで落ち込んだ企業業績の持ち直し、円安と物価高による消費税収増加である。すなわち、企業は儲かっているのである。それでもなお従業員への還元がなく景気が上向かないのは経営無能の怠慢というほかない。さらに言えば消費増税など全く不要である。