ショックドクトリン

ショックドクトリンという言葉聞いたことありますか。日本では最近堤未果さんの本やTV出演で話題になっている言葉です。元はカナダの評論家ナオミ・クラインの編み出した概念と造語です。ここでいうショックとは大惨事、ドクトリンとは政策の意味。

原書は「ショックドクトリン、ナオミ・クライン、2007年米国」、これを紹介したのは「堤未果のショックドクトリン、幻冬舎新書、2023」、100分で名著「ショックドクトリン・堤未果」、堤未果氏の上記著書は朝日新聞の「著者に会いたい」のコラムで取り上げられたのでご存知の方も多いかもしれません。

ショックドクトリンとは自然災害、テロ、パンデミックなど大惨事で国民が恐怖で思考停止している間に政府が仕掛ける、平時ではありえない思い切った政策のことを指します。これで世の中が良きに付け悪きに付けガラッと変わってしまう特徴があります。その政策により必ずある民間部分が大儲けして、下流の庶民が割を食ってますます貧窮するという特徴があるのが問題なのです。ですから、ナオミ・クライン堤未果も大惨事直後には放心状態から出来るだけ早く目覚め、理性を働かせて政府のやることをよく見て自分の身を守るようにと警告しています。

現在の大惨事というとハワイのマウイ島における大火災ですが、これに付け込んでどんなことが緊急政策として打ち出されるのか、それによって庶民や原住民の権利が阻害されるようなことにならないかRECOCAはとても心配しています。

さて、原書ナオミ・クラインの著書ではショック(大災害)の事例として、2005年の米国ハリケーンカトリーナを上げています。地元共和党議員「これでニューオリンズ低所得者公営住宅がきれいさっぱり一掃できた。これぞ神のみ技だ。」ハリケーンに襲われたショックで住民が思考停止している間に、普段なら絶対に反対されるような政策を一気に入れてしまう。危機に乗じて過激な新自由主義を強引にねじ込むこの戦略をクラインはショックドクトリンとなずけたのです。規制緩和、民営化、社会保障削減が具体的ドクトリンの中身です。つまり新自由主義そのものと言えます。それで大儲けするのは誰か、ということです。さらに米国のショックドクトリンは進化し、戦争の民営化、国家の民営化をも視野に入れました。それを請け負う民間機関は大儲けする代わりに、政府機能は民間の商業主義が災いしてずさんなものになりました。それが9.11テロ事件で一気にその負の部分が表面化したのです。ジョージ・ブッシュ(子)、ドナルド・ラムズフェルドディック・チェイニーが主役でした。米国で味を占めた一派は確実に日本を次の標的にします。日本でのしょっくというと、3.11の大地震災害と3年前のコロナショックです。ワクチンとマイナンバー、何か匂いませんか。マイナンバーという国民監視システムの構築はコロナ禍がまたとない大チャンスなのです。東京五輪ショック、大阪万博ショックもあります。大阪メトロは昨年民営化されたそうですね。万博に備える名目で顔認証改札機の実証試験始めたそうです。これは便利な反面弊害も大きいと言われています。とくに監視に使われる可能性が大きい。誰と誰が接触しているとか、マスク着用有無とか。他のものを排して選択代余地をなくす一択主義導入はショックドクトリンのの常套手段。何事においても気づいたらいつの間にか問答無用で変えられていた、ということにならないように選択肢を残すことは、庶民が身を守るために基本的に重要なことだと思います。