日本人の栄養危機

NHK特集から。

日本人はもともとお米から栄養を取っていましたが戦後は米国の意向もあり肉、卵、牛乳からも接種するようになって、近年でカロリー的には半々になっているとのことです。

ところがその重要な栄養源の肉、卵、牛乳の生産が日本では危機に陥ってきているのです。これは容易ならざること。何が起こっているかというと、日本の畜産と酪農の経営が成り立たなくなっているのです。そのため、去年の9月からの一年間で離農した酪農家は800戸に及んでいます。生産の土台が根本から崩れようとしている。原因は餌となる飼料の高騰です。この2年で輸入価格1.5倍になったのです。日本の畜産酪農は米国をまねた大規模経営のため、国産飼料では足りずほとんど輸入に頼っているのが現状です。高騰の理由はウクライナが戦場になったことが一つ。さらに米国からも大量にトウモロコシを買っていますが、近年バイオエタノール工場へ売るほうが高く売れるので日本に売ってくれなくなったこと。加えて、インド、中国との飼料の奪い合いになっているのです。なぜそんなことになるかというと、日本の畜産は餌を考慮した自給率が極端に低いからです。例えば、卵の場合97%が自国の鶏なので国産率97%と言えるので安心できるかというとそうではありません。87%の餌は輸入に頼っているのです。ですからそれを考慮した自給率は僅か13%なのです。同様に牛肉の国産率は47%に対して自給率は13%。豚肉の売国産率は49%、自給率は僅か6%、鶏肉の国産率は64%、自給率は9%。牛乳も国産率62%、自給率は27%。という具合です。

日本の農業の憲法である農業基本法で国は畜産の大規模化を促したのですが、飼料の自給という観点がすっぽ抜けていたのです。つまり海外の安い資料を安定的に輸入できることが安定供給の前提だったのです。それが破綻した現在どのようにして食糧安保の危機に立ち向かうのか岸田政権に成算はあるのでしょうか。軍事の安保と食糧安保のバランスです。米国を喜ばせる軍事の安保を優先して食料のことをまさかお忘れではないでしょうね。心配です。