日本の食糧の危機⇒量だけではない、質が・・

出所⇒日本の食が危ない。文芸春秋2022年4月号

前回は日本の食糧危機について自給率の危機という視点から述べましたが、実はそれだけではありません。質の劣化という点も大きな問題なのです。物が悪くなったとかそういう話ではなく残留農薬の問題です。小麦、大豆、飼料などほとんど米国から輸入していますが、農薬まみれのものが入ってきているのです。日本にも輸入品に対する残留農薬許容基準値があるのですが2017年ころから多いものは10倍、100倍も緩く改定されました。されたというより米国との交渉でさせられたといったほうが正確でしょうね。前にも書きましたが工業品、例えば自動車の輸出枠を減らすぞなどの脅しに屈した結果です。食料の安全を人質に差し出して自動車など工業品目の儲けを守った形です。ですから安全基準の厳しいEUは日本の食品は危険という認識で輸入時の検査を厳格化しています。それどころか特定品目については輸入禁止にしているようです。日本の食品は安全と以前は広く信じられていましたが、今や昔の神話になっています。

具体的に言うと、米国における大豆など農産物の遺伝子組み換えです。何のために遺伝子操作するのか。特定の農薬に耐性を持つように遺伝子操作(組み換え)するのです。例えば普通の大豆の場合、農薬散布すると雑草と共に肝心の作物の大豆迄枯れてしまいます。ところが遺伝子組み換えした大豆だったらどうでしょう。その農薬に耐性があるので枯れることはありません。だから生産効率が倍加するのです。その農薬の名前は「ラウンドアップ」。じつはラウンドアップの主成分のグリホサートに発がん性があると判断されました。2018年のことです。これに対しては米国農家の訴訟が相次ぎ、発売元のモンサント社は1兆円に及ぶ賠償金を支払う羽目になりました。この農薬は洗浄しても簡単には洗い流せないのです。それで各国は規制に動き輸入監視を強化しました。ところがどういうわけか日本はその動きに逆行し2000年に残留農薬の基準値を大幅に緩和したのです。その理由は始めに述べました。ご存知のように日本のパン、うどん、スパゲッティなどの小麦はほとんど米国産ですよね。家畜の飼料のトウモロコシもそうです。それを食べた牛肉にも当然残留していると思わねばなりません。2019年に調査した結果には既に日本のパンにはグリホサートが残留しています。

アメリカ産のジャガイモにも要注意です。残留基準値を従来の20倍に緩和しました。レモンの時と同じです。2019年の農水省の調査では日本における多くの品目について残留基準値が海外に比べ大幅に緩いのです。例えば、茶、米、長芋、ブドウ、りんご、いちご、など。ですから日本から輸出するとき欧米でリジェクトされるケースが増えているのです。

ほかにも発がん性ホルモンを使用した輸入畜産物とかいろいろあります。これもモンサント社がかかわっています。ファイザーやモデルナ社みたいな悪のイメージが私の中では定着しました。遺伝子組み換え食品の普及は2000年以降です。こういう健康被害は徐々にゆっくりゆっくり浸透していきます。ですから2000年生まれの人が高齢になったとき、つまり70年80年後の日本の平均寿命がどうなっているか本気で心配しています。当然私は霊界の住人になっていますが、時々化けて出てその数字を覗いてみたいくらいです。

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今朝は空360度一片の雲なしの超快晴でした。こういうのをまさに秋の季語「天高し」というのでしょうね。

・天高しオカリナ流る空の果て  RECOCA