折々のことば(23日朝日新聞)と生産系AI・chatGPT

朝日新聞に折々のことばという小コラムが毎日更新されている。けさのテーマは死について。簡潔に要約すれば、人の死はみとる人の存在をもってのみ完結するという内容である。ある日本人哲学者の論で、切り口と書きぶりがとてもユニークなので取り上げてみたい。

まず原文のコピーを示す。

これについて、chatGPTならどのように理解し感想を述べるだろうとふと思った。それでこの文章に対する感想文を書くようchatGPTに依頼した。その回答が次のとおりである。

AIからのレスポンス①

「この文章は、死という存在に対して新たな捉え方を提示しています。死が訪れた時に「私」はもう存在しないということは、死が個人の終焉ではなく、周囲の人々との関係によって完結するということを示唆しています。また、この考え方は哲学者の言葉として紹介されており、その深い哲学的意味を感じさせられます。」

さらに、感想文としての体裁を整えよとの依頼に対するレスポンス②

「私(AI)の感想文: この文章は、死という存在に対する一風変わった考え方を示しています。死が個人の終焉ではなく、周囲の人々との関係によって完結するという考え方は、私たちが持っている死に対するイメージを覆すものです。哲学者の言葉として紹介されていることからも、深い哲学的な意味を持っていると感じます。この考え方を応用することで、人々が生きる意味や価値観を見つめ直すことができるかもしれません。」

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理解力と言い、レスポンスと言い素晴らしいものだと感心した。しかも出力時間は一秒もかかっていない。与えられた文章に対する一般論的な評価、感想としては模範解答だと思う。しかし欲を言えば個性がない。ここまでが現在のところのAIの限界であることが分かると思う。じつはRECOCA(つまり小生)はAIに依頼する前に自分の得た感想を感想文として書いておいた。個性ある人間の書く感想文とAIのそれとの比較、いかがでしょうか。

RECOCAの感想文

「この哲学者によれば、人生とは他人との係りにおいてのみ意味を持つものである。従って、死についても他人との係りがあることで意味があり完結するものであると述べている。しかし、では孤独は無意味なのかという重大な疑問に遭遇する。私はそうは思わない。深く掘り下げられた孤独な生が行きつく孤独な死。このような人も立派に生を終え成仏すると思う。死を見送る人がたとえこの世にいなくても、あの世には迎え入れてくれる人が必ず待っているのが世の実相なのである。この哲学者は唯物主義の狭い思想にとらわれている。」

ただし、これを書き上げるのにかなり時間を要している。とてもじゃないがAiのように瞬時にというわけにはいかない。