東京の夏の気候について。私の感覚では1980年頃から徐々に熱くなり、特に2000年以降いわゆる猛暑が増えた感じがしている。そしてとりわけ昨年2023年と今年がひどいことになった。
このことについて表題の番組では次のようにあらわしている。
・かつての8月東京の最高気温の平均は次のようだった。
1932年・・・30.6度
1949年・・・31.4度
1972年・・・30.7度
では去年と今年はどうだったか生成AI,copilotに調べてもらった。その結果は。
2023年・・・36.7度
2024年・・・35.9度
この上昇率には愕然とする。これはもう、日本の気候は別次元に突入したといっていいだろう。
NHK特集「猛暑襲来」では、6~9月の最高気温の年ごとの推移もグラフ化していた。それが下図である。
図で見るように2000年以降になると、気温30度以上の日が7月初めから現れ、9月中頃まで続くようになっている。
この原因は何だろうか。番組では「海洋熱波」だという。海洋熱波とは、一言でいえば日本近海の海水の異常高温である。日本の近海が南の方から亜熱帯化しているのである。端的な例が、熱海の沖合の初島では最近沖縄の県魚グルクンの大量の群れが見られるようになったこと。
この原因は何かというと、日本到来の最大の暖流である黒潮の流れ方が異常になっていることである。通常黒潮の流れは房総半島まで北上して東へ折れて日本を離れる。それが去年と今年共、東北まで北上するようになった。
今年さらに黒潮の流れに異常が加わった。それは北上した黒潮の一部が本流から切り離されて東北沖に滞留してしまったのである。
北海道、東北、関東の太平洋側の異常猛暑が激しい原因は、海流である黒潮の一部が近海に滞留してしまったことである。。今後も海洋熱波は頻繁により強い形で襲来するであろう、というのが有り難くないご託宣だ。
これにより米作にも極めて大きな影響が表れている。その例が新潟最大のコメどころ魚沼産コシヒカリ。2023年夏、ある魚沼産コシヒカリ農家の述懐。「去年の8月、猛暑と水不足で田の土があたかも砂漠化するという想定外の出来事が起こった。その結果例年なら90%が一等米なのに、一等米の比率は僅か4.7%、減収は1000万円だった。」一方今年の高温は去年ほどではないので去年のような不作は起こらないはずとのことである。問題は今後の異常高温対策であるが、すでに暑さに強い「新之助」という銘柄を開発済みで作付けも併用しており、他にもいろいろな品種を平行栽培しているので気候変動対策には着手済みとのことであった。
海洋熱波の今後であるが、その根本に地球温暖化があるので元に戻るということはなかなか難しいだろうとのことで、つまり来年以降も今年のような猛暑を覚悟した方がよいということらしい。