睡眠時間と年齢(眠るために生きてる人になるな)?

見出しの趣旨は、高齢者の不眠は気にしなくてよい、ということです。⇒老活の愉しみ(帚木蓬生ははきぎ・ほうせい著)より。

私は超高齢者ですが睡眠が気になることは一切ありません。しかし、精神科医の著者の述べるところによると、メンタルクリニックを訪れる高齢者の主訴で最も多いのは不眠だそうです。

引用

「高齢と共に眠りが浅くなるのは正常な現象です。人の眠る時間は15歳前後で8時間、25歳で7時間、45歳で6時間半、65歳で6時間という具合に短縮するようになっています。二十歳過ぎると20年ごとに睡眠時間は30分ずつ減っていくので、85歳では5時間半眠れば十分という計算になります。」

知らなかった。なぜこういう大事なこと、つまり必要な睡眠時間は年齢の函数だということを医学の常識として世に出さないのか疑問に思ってしまいました。だからみんなの頭には、人間たるもの老いも若きも8時間眠るべしという強迫観念が植え付けられています。その結果年寄りほど自分は不眠だ不眠だと言ってお医者さん通いをすることになります。そういえば血圧も同じですね。年齢に伴って血圧上がるのは正常な生理現象なのに、20歳の青年も80歳の高齢者も上の血圧が130とか140を超えると一律高血圧患者にされてしまう・・。それで得すするのはいったい誰なんでしょう、なんて余計なことまで考えてしまいます。

引用

「そこで私は必ず患者さんの睡眠行動を点検します。すると7時や8時には床にはいるという返事が返ってきます。それなら起床は何時ですかと聞きます。朝8時、と多くの患者さんはこたえます。えっ、それでは13時間も横になっているではありませんか。夜の7時に寝るのなら朝の1時か2時に起きるべきです。豆腐屋さんと同じです。まさか、そんなに早く起きてもすることがありませんと患者さん。朝は8時か9時、寝不足感じると朝の11時まで床の中にいます!・・現代の高齢者は暇ですから、一日の半分は床に就きやすいのです。まるで眠るために生きているような毎日になってしまいます。たまりかねて私は言います。それならもう永遠の眠りにつくような薬を出しましょうか。いえ、永遠の眠りはまだ早いです。8時間ぐっすり眠れる薬をください、また押し問答が始まる。・・どうせ死んでしまえばずっと眠っていられるのだから、現世では多少不眠症でもよかろうに・・」

実は、うちでは二人とも就寝時間は深夜12時ころなのです。起きるのは朝7時頃、もたもたしてると8時。これでも上の理屈から見るとまだ寝すぎ。朝6時には起きるべきとなります。12時就寝というのは年寄りにしては不健康だから是正せねばと思っていましたがそうでもないようです。さらに昼寝について。昼寝が長いと夜の寝つきが悪く逆効果だそうです。だからせいぜい15分くらいにすべきと。長くても30分が限度。それには昼寝の前にコーヒーを飲んでおくとよいそうです。昼寝後15~30分でコーヒーの覚醒作用が効いてきてすっきり目覚めることができます。

今朝の新聞に睡眠のサプリについて出ていました。なぜこういう広告や解説がたくさん出ているのか分かった気がしました。「加齢に伴う悩みが睡眠」という見出しがそもそも誤りなのです。